英語巡り

パトロン(patron), パトロナイズ(patronize)の意味

パトロン、という言葉、聞いたことがあるかと思います。

「芸能人の誰それにはパトロンがいるらしい」とか「政治家の誰それは銀座のクラブのママのパトロンだ」とか、言いますよね。

この「パトロン」という言葉について、今日は詳しく見ていきたいと思います。

パトロンの発音

「パトロン」、英語では patron、発音記号は péɪtrən ですから、カタカナで書くと「ペイトロン」です。「パトロン」ではないんですね。

ちなみに、女性の patron のことを patroness(péɪtrənəs)と言ったりもします。カタカナで書くと、ペイトロネス です。

パトロンの意味

意味は、「支援者」、「後援者」です。

日本語では「愛人を抱える人」みたいな意味で使われることが多いと思うのですが、英語ではそういうセクシャルな意味はありません。

事業やイベントなどにお金を出したりして支援する人、あるいは、芸術家などに援助する人という意味です。

日本でも、芸術家のパトロンになる、という使い方はしますよね。

パトロンの、もう一つの意味

それから、英語の patron には、「お店のお得意さん」、「常連客」という意味もあります。

日本語のパトロンにはこういう意味合いは全くないですね。どこどこの店のパトロンというと、やはり、愛人を抱えている人みたいな感じになります。でも、英語ではこういう意味もあるんですね。

patronize の意味

次に、patronize ですが、これは patron の動詞形です。

発音は、péɪtrənὰɪz。カタカナで書くと、「ペイトロナイズ」です。

意味は、「~を援助する」「~を支援する」です。

He has patronized young artists for twenty years. 「彼は二十年間若い芸術家を支援した」

といった感じになります。

また、patron に「常連客」という意味があるように、その動詞形 patronize にも「常連客になる」「ひいきにする」という意味があります。

The restaurant is patronized by many of the locals. 「そのレストランは多くの地元民のひいきにされている」

patronize の、もう一つの意味

patronize には、さらに「恩着せがましくする」「見下す」「軽視する」といった意味もあります。

Don't patronize me. 「私を見下すな」

He had a patronizing attitude towards his wife 「彼は妻に横柄な態度をとった」

attitude は「態度」という意味の名詞ですから、patronizing attidude で、「見下す態度」。つまり、「横柄な態度」ということになります。

「ある人に横柄な態度をとる」は have、あるいは take を使って、

have a patronizing attitude towards somebody

あるいは、

take a patronizing attitude towards somebody

となります。

まとめ

patronize が「支援する」という意味もありながら、「恩着せがましくする」という意味もあるのはなかなか面白いですね。

patron は、ラテン語で「父」を意味する pater からきています。

なので、「父性」というのをポジティブにとらえるか、ネガティブにとらえるかで「支援する」になったり、「恩着せがましくする」になったりするのではないでしょうか。

以上、patron、patronize の解説でした。