英語巡り

break one's duck の意味と由来

break one's duck というイディオムを今日は見ていきましょう。

duck の意味

まず、duck の意味ですが、アヒルとか鴨(カモ)です。

日本ではアヒル、鴨と、違う言葉を使いますが、英語では両方 duck です。

というのも、アヒルというのは、元々鴨だったものが食用や羽毛として利用されるために家畜化された鳥なんです。元々は同じものなんですね。なので、両方 duck です。

ちなみに、アヒルのことを domestic duck と言ったりもします。

domestic はドメスティックです。ドメスティックバイオレンスのドメスティックですね。「家庭の」という意味です。

それから、domestic には「家畜化された」という意味もあります。

domestic animal で、「家畜」です。

つまり、domestic duck で「家畜化された鴨」。ようは、アヒルのことです。

break one's duck の意味と由来

で、break one's duck に戻りますが、break one's duck は、元々は break one's duck's egg なんです。

egg は「卵」ですよね。つまり duck's egg で、「鴨の卵」という意味になります。

で、どういうことかというと、卵って0の形をしてますよね。そういうことです。0という意味です。

break one's duck's egg はクリケットという、野球に似たスポーツから来たイディオムなんですが、なので、duck's eggで0点という意味になります。

で、そこから egg が省略され、break one's duck になりました。

break は「壊す」とか「破る」とかいう意味の動詞ですよね。

つまり、break one's duck で、0点を破る。ようは、点を入れるということです。

ポイントは、0点の状態があるってことです。いきなり点を入れたんでは break one's duck にはなりません。停滞期が必要なんですね。

Messi had played 10 games without scoring but finally broke his duck towards Real Madrid.
「メッシは10試合ゴールを決めることはなかったが、ついにレアルマドリード戦で点を入れた」

というような感じで使います。

10試合点を取らない時期があるから、break his duck になるんですね。

break one's duck の比喩的な使い方

さらに、break one's duck は比喩的な使い方もできます。

I've been lazy but now is the time to break my duck.
「私は怠け者だったが、今が始める時だ」

という感じです。

「始める時だ」というのは意訳ですが、ようは、0点の時期があって(lazy だったが)、でも、今始める時だ(lazy を break する時だ)、ということです。

まとめ

break one's duck の意味を見てきましたが、このイデオムは上に書いたように、クリケットからきた言葉です。

なので、クリケット発祥の国であるイギリスでおもに使われるイディオムです。

アメリカではあまり盛んなスポーツではないので、このイディオムもそれほど使われないと思います。

ということで、以上、break one's duck の解説でした。